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刑裁修習を終えて
こんばんは。管理人です。
分野別実務修習が終わってしまい,選択型実務修習に移ってしまいました。模擬裁とか全国プログラムとかいろいろあるので,暑さにやられないようにしていければと思います。
とりあえず,最終クールの刑裁修習が終わったので,例のごとく振り返っておこうと思います。
- 弁護修習は民事中心になるのが殆どであるから言うまでもなく,検察修習も捜査中心なので,刑裁修習が公判周りの法曹三者全ての刑事実務を見分できる期間になると思います。刑事事件に関心のある向きは一番充実するのではないかと思います。
- 裁判員裁判がかなりの確率で関与するので,(弁護で偶然裁判員裁判の起案でもしない限り)他の修習では考えないような頭の使い方をすることになります。
- 法律概念(『難解な法律概念と裁判員裁判』に載っているものなど)を裁判員にどう説明するかという観点で起案を求められることがあるので,基本書やコンメンタールの内容を把握し,それをどうかみ砕いて説明するか,深い理解が求められます。
- 事実認定起案では,証拠構造をかなり意識していたと思われました。直接証拠型か間接事実型か,証拠の信用性はどうか,動かしがたい事実(民事とは内容が違いますが)は何か,間接事実の意味合いと重みはどうかを検討していきましょう。
- 実際の裁判なので,結論に当たる部分が重視され,量刑について考えることは避けられません。修習以前で検討することは少ないように思いますが,行為責任の概念を裁判員相手にどう説明するかといった観点も含め,量刑について理解を深めることが求められます。
- 起訴状一本主義ないし予断排除は,徹底されています。傍聴に行くときも,手続の初期段階であれば,今後の見通しを検討するとよい訓練になると思いました。
- 何気ない挙動が,条文上の根拠がある刑事手続であることがしばしばあるので,条文上規定されている膿瘍が実際どういう動作で行われているのか意識して傍聴すると有意義ではないかと思います。
- 公判前整理手続を見る機会も多いとは思いますが,それ以上に打合せを活用している場面を見ることがあると思います。なぜ打合せを用いるのかも含め,どういうことをしているのかしっかり見ておくとよいでしょう。
- 勾留の理由・必要性,準抗告,勾留取消しといった勾留状関係の問題もしばしば扱うので,刑裁修習前には刑訴法60条~90条辺りも確認しておきましょう。
- 刑裁問研起案は枚数の目安の指定があり,あまりにもこれを無視するのは望ましくない気がしますが,刑裁教官曰く,「枚数を超過したから減点するという考えではないので,書きたいことがあるのに枚数指定を気にして書かないのはもったいない」そうです。
- 刑裁白表紙の三種の神器(『刑事事実認定ガイド』,『プロシーディングス刑事裁判』,『プラクティス刑事裁判』)が重要なので,刑裁修習前に改めて検討しておくことが望ましいでしょう。
- 結果簿の手書き部分は丁寧に書きましょう()(走り書きで書いたら配属部全員から最終日一日中突っ込まれた&釈明を求められ数箇所朗読した(><))
今年の西日本豪雨の影響を食らって,期日が飛ぶなど結構影響があったので,一般的な修習と異なる可能性があるかと思いますが,参考になればと思います。配属部の裁判官が皆さん非常によく考える裁判官の方で,大変勉強になりました。ありがとうございました。
選択型実務修習が終わると集合と二回試験です(><)著しくふえぇ(><)ですが,気を落とさず頑張りたいと思います。