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分野別修習を折り返して
こんばんは。メタタグをごちゃごちゃいじっていたり,その他もろもろに当たっていたりしたら全然更新できなくなっておりました。
修習の方は第3クールが始まったところで,分野別実務修習も折り返してしまいました。さしあたり終わったクールについて,来年以降の修習生等に需要もあることでしょうから,書ける範囲で備忘録的にいろいろ書いておこうと思います。
配属先の指導担当の方々には大変お世話になりました。ありがとうございました。
(1)検察修習
- 電話等の修習に当たっての一般的注意事項は,貸与PCに入っているはずなので要チェック。
- 捜査起案は,自白事件であっても,突如否認に転じるつもりで取り組むと,証拠類の確認が丁寧にできる。
- 配点される事件は,法的論点か事実関係か,どこかしら引っかかるポイントがあるので,注意深く検討する。
- 取調べはやった方がよく,特に刑事弁護をやりたい人は,調書作るときにどうやっているかしっかり見ておくとよいでしょう。
- 弁録・取調べ立会の時は,自分だったらどう聴いていくか考えながら立ち会うとよい(検察官の方からのコメント)。
- 捜査では,否認事件は検察志望度の高い人に行きやすいイメージ(もっとも,小規模庁だとそんなことは関係なく雪崩のように回ってくるとか)(なお,中規模庁でも頼んでみたら回ってきます)。
- 公判起案は,どういうメリハリのつけ方をしているか検察官の仕事を見ておくとよさそう。
- 公判起案だと検察志望100%でなくとも,記録が使用中でなければ,申し出るだけで否認事件も扱えるので,やってみる。
- 事務官・指導係検事チェック→部長決裁→…と決裁の過程で人によって言うことが激変することも多いので,なぜそう考えているのかよくみてみる。
- 起案のスタイルは人によってもかなり差があるので,検察講義案の書式・方式に従わなくてもよいこともしばしば。
(2)民裁修習
- とりあえず記録を見せてもらうように言えば,使用中でもない限り何でも見せてもらえるから,見せてもらう。
- 専門部があって,自分の配属部に回ってこない類型の事件も,見たいと頼めば見せてもらえることも(医療事件とかで他の部にもお邪魔していました)(東京,大阪くらい専門部が分化している場合の扱いは不知)。
- いろいろな段階の手続を検討する(弁準なら今後の見通しや釈明したい点は何か,尋問調書ができあがりつつある段階なら判決起案をどうやるか等)。
- エクセルか何かで,両当事者の主張を時系列でまとめると,ストーリーの把握に役立つ。
- ストーリーを把握する中で,証拠類(特に,類信文書等の重要なもの)もよく見る(出ていなかったら出ていない意味も)。
- 尋問調書が出ている事件であれば,しっかり確認する(陳述書とずれることは多いし,結論に影響する場合も)。
- 書面を読んでもよく分からないというのが,自分の検討不足か,書面自体に問題があるかよく考えて,裁判官とも議論する(書面作成に当たって気を付けるべき点)。
- 「決め手」が欠けるような事件の処理について,裁判官と議論して,どう理屈づけ,結論をどうやって出しているのか検討する。
- 本人訴訟の事件があったら,それも見せてもらう(どの方面に進むにしろ,事案の把握能力,整理能力を向上させるのに役立つかと)。
- 裁判官室の書架チェック(どういう資料が必須なのか)。
- 修習生だから要件事実を起案させようと考える部(存在するかどうかは不知)でないと,主張整理起案はなかなかないので,事実認定起案中心になる。
- 要件事実も実際の事件でやりたいというのであれば,判決起案を頂いたときに在来様式で書いてみると良いような。
- とはいえ,事実認定こそ本物の記録がないとできないので,実務修習の中心は争点整理・事実認定に軸を置くのがよいのではないか。
- 書記官室にも入り浸っていいとか(反省点)。
- 早めに要望を出せば調停とかにも入れたのではないか(反省点)。
とりあえず思いついた点をつらつらと並べてみるとこんな感じ(適当に挙げてるのでもっといろいろあると思います)でした。検察クールのコメント適当じゃね?と思った方,ご明察です。修習地の貸与PCで代々受け継がれていた,怒られたらうんちゃらという,検察修習の注意点をまとめたプリントを飲み会までの時間調整とかで加筆修正していたので,ここにもう一回書くのが面倒なのです。
今度の弁護クールも頑張りたいと思います。