裁判例>最判昭和58年3月3日集民138号249頁

最判昭和58年3月3日集民138号249頁

主文

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

理由

 上告代理人島田稔の上告理由書及び上告理由補充書記載の上告理由について

 請求公告をすべき旨の決定がされても、願書に添付した明細書又は図面の訂正の効果が生じるものではないから(実用新案法41条によって準用される特許法164条2項、165条1項参照)、請求公告の決定がされたことにより右訂正の効果が生じたことを前提とする所論事実誤認の主張は、その前提を欠き、また、将来訂正審判請求に対する審決の確定によって再審事由が生ずる可能性があるとしても、その故をもって原判決に法令違反があるとすることはできない。論旨は、いずれも採用することができない。

 よって、行政事件訴訟法7条、民訴401条、95条、89条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 藤崎萬里 裁判官 団藤重光 裁判官 中村治朗 裁判官 谷口正孝 裁判官 和田誠一)