書評>青木人志『判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ』

『判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ』

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【書誌】

コメント

 判例をどう読んでいくか,シッシー,ワッシー,アオキ先生の対話方式で解説した一冊。

 今更読まなくてもいいかとも思ったのですが,シッシー・ワッシーが巷で話題になっていたので手に取ってみることに。

 判例って何?,民事判例の読み方,刑事判例の読み方という3本立て構成で,法学部に進んだばかりの初学者にも分かるように書かれています。

 読み方の基本として,当事者は誰か,訴えた側により何が請求・主張されているか,その根拠は何か,裁判所の事実認定は何か,裁判所はどう判断したか,判断の理由は何か,という6つのポイントを挙げた上で,具体的な判例を民事刑事各1つを題材に,判例を読むということをやっています。

 初学者を対象としている設定のコンパクトな本で,判例評釈のような読み方はしていませんが,人物関係の整理,時系列整理というのは判例に限らず事案整理に有益なので,法学部進学者やロー未修の方は,隙間の時間に目を通すと良いと思います(一橋だと法学部入学予定者に本書が勧められているらしいですね)。

 なお,著者による紹介はこちらで読むことができます。従来の判例の読み方を書いた書籍とどこが違うのか,著者の筆により詳しく書かれています。

 ところで,有斐閣社章の獅子と鷲あんなにコミカルなキャラだったのか… ぽっぽーさんもうかうかしていられないぞ。

by Q.Urah